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手綱獲りの旅

いつのまにか時は流れおっさんになってしまってました。

人の人生を勝手に断じてはいけない

タイトルのまんまなんですが、

テレビなんかで「あの人は今」みたいなのがウケるのは、

なんというか、人の人生を評価する快感があるからだと思うんですね。

「あ~ちょっとうまいことやったけど結局落ち目になったな」とか、

「転身してボランティアみたいなことやってるのえらいな」とか、

なんでもいいんだと思うんですけど、

人の人生を断ずる、これは結構な快感なんでしょうね。

 

でも、それはやっぱり下品だと思うんだよな。

はたから見て哀れな生活に見えても、

本人的にはものすごくそれで楽しいし、

じつはあまり周りに迷惑も掛かってない場合って決して少なくないと思う。

それなのに、勝手に「かわいそうだ」とか「負け組」とかレッテルを張るのは、

結局そうやって人の人生を断じたい、とう一心なんだろう。

 

それで「自分はそうじゃなくてよかった」なんて自分を安心させるのは

やっぱり下品だと思うし、

そういう人はやっぱり自分の人生もネガティブに断じちゃってるのかもしれない。

 

私は「探偵ナイトスクープ」という番組が好きで時々見る。

あの番組は一般の方に焦点を当てて作る今時珍しい番組で、

いい意味でテレビ的でないところがある。

予定調和感がほとんどないのだ。

 

で、その一般の方というのがなんとも面白く、

例えば「鍋が大好きなコワモテの父親に、夕食の鍋の頻度を下げてもらうように小学生の子供がお願いする」なんていう回があったりする。

子供としては初めて父親に面と向かってお願いするので真剣なんだけど、

お願いの内容がどこかとぼけている感じで面白い。

でも、勇気を出して話を切り出す子供と、それを笑いながら聞く父、そして応援する母親の姿に不思議な感動を覚えたものだった。

 

こんな感じで、「笑っていいのか泣いていいのかわからない」というような

一言で言い表せないような出来事は人生にたくさんある。

だが、多くのテレビでは「笑うところ」なのか「感動するところ」なのかを

テロップとか出演者のコメントとかで視聴者にわかりやすい形で切り出して提示してくる。

我々はいわば、どういう反応をすべきか常にカンペを出されながら視聴しているのだ。

ところがこの番組はあくまでカメラがとらえた出来事だけをこちらに突き付け、

それにどう反応するかは完全にこちらに投げっぱなしなのである。

この一点においてこの番組はすごい。

ちなみにこの「テレビ的でないテレビ番組」はかなりの長寿番組である。

 

で、まさに人を自分の先入観で断じたいタイプの人はこの番組はぴんと来ないのではと思うのだ。

ただ、私としては妙に納得してしまうものがあって、

やっぱり人生や、起こった出来事をそんな簡単に「負けだ」「勝ちだ」「不幸だ」「幸運だ」なんて言いきれないし、

まして他人に対してそれをやるなんてのはまさにテレビ的な押し付けと同じだなあと思うわけなのである。