手綱獲りの旅

いつのまにか時は流れおっさんになってしまってました。

丁寧でまともな仕事

おじさん臭いことを承知で書きますが、

このところ、「なるべく労力をかけず、なるべくたくさんお金を稼ぎ、なるべくたくさんの人に褒めてもらえる」

ことが一番うまいやり方だという流れがものすごく強くなっている気がします。

洋楽邦楽問わず最近の音楽はもう完全にそんな感じで、音楽を愛する人が自分で納得がいくように練りこんで作り上げたような作品はほとんどなくて、

代わりに「こうすれば話題になるかな」「こうすれば売れるかな」という試行錯誤を少しやった程度で、あとは宣伝に一生懸命。

SNS拡散希望は序の口で、作品や作者にわけのわからないストーリーを後付けしてさもそれがありがたいものであるかのように思わせるというのはよくある手口。

飲食店も同様で、新規開店の店は話題先行、基本的なテクニックをきちんと極めた人が納得のいく料理を出しているというより、

ひたすら話題になり、お金を稼ぎたくてやっているような店が多すぎる。

要は「成功したい。褒められたい。威張りたい」が先にあって、

一番手っ取り早そうなものということで音楽やら飲食店やらで一発当てることをゴールにしている。

そんな刹那的で幼稚な自意識に基づいた仕事にあふれていて最近結構困ります。

 

最近商店街のはずれにある目立たないレストランで食事をしたのですが(食べログの点数はなんと3.0台)、

これが安くて非常においしく、かつとても雰囲気のいい店で感動したのです。

奇抜な料理は一切ないのですが、

「きちんと丁寧に作った料理」はこんなにも素晴らしいのかと思いました。

 

しかし、「きちんと丁寧にやった仕事」は、

先の「なるべく早く」「なるべく効率的に」「金や名声を得る」という発想からは

残念ながら出てきません。

そういう仕事をできるようになるには時間がかかりますし、

「誰かに認められたからこれでいいんだ」というような

主体性のない態度では到底たどり着けない領域でしょう。

また、直接的にそれが金や名声に結び付く保証はありません。

なので、古臭い、頭の悪い、損なやり方だという風に

今は思われているのかもしれません。

 

僕はそういう仕事をしたいと思っていますし、

そうじゃないといずれは淘汰されてしまうと思います。

また、そういう仕事のできる人はとても少ないので、

戦略としては長期的に見て悪くないと思います。

あまりこれが大事だということは広く言われていない気がしますが、

みんなが人に見せる用の自分のストーリー作りに必死な昨今、

この逆張りは強いと信じています。